長さの単位変換の学習をしているときに「2m5cm=25cm」などとしてしまう子どもがいます。原因はいろいろ考えられますが、mとcmで表される長さの量感が育っていない場合があります。量感が育っていないために「3mと5cmでどちらが長いですか」という問いにも数字の大きさに注意が向き「5cm」と答えてしまう子どももいます。
step1 「m・cm変身ものさし」による支援
写真1のように、表が目盛なしの1mものさし、裏が1cm目盛の1mものさしを作っておきます(市販の1mのものさしを購入し表になる部分は黒いビニールテープを貼り裏にはパソコンで作った1cm目盛のテープを貼って作っています)。
まず、表の目盛なしの1mものさしを見せ、「この長さは長さを測るもとになる長さで1メートルといいます。」と伝え、このものさしできっちりと長さが計れるものを測っていきます。私が測っていたのは、パソコン机の横の長さ(1m)教室の入り口の縦長さ(2m)などです。次に半端がでる物にものさしをあて(写真2)、「1mでは測ることができないよね。こまったね。」と声かけをします。ものさしをひっくり返し1cm目盛のものさしを見せ、「この目盛は、1mを100個に分けたもので、1目盛の長さを1センチメートルといいます。」といい「机の縦の長さはメモリが68個分だから68センチメートルになるね。」(写真3)と1cm目盛ものさしで測る方法を伝えます。その後、1cmものさしで測れるものをいくつか計っておきま。
最後に「m・cm変身ものさし」の表を見せ裏を見せという変身を繰り返し、そのたびに「1メートルは100センチメートル」と言い量感のともなった単位変換のルールを示していきます。
step2 支援ソフト「長い長さをはかろう」による支援
さんすうベーシックプラスさんすう2「長い長さをはかろう」の中の『長さをはかろうcm』『mからcmへ』の課題を繰り返しおこなうことにより、量感の伴った単位変換ルールを定着させていきます。
step3 支援プリント「mからcm」による支援
さんすうベーシックプラスの「プリントmからcm①」(図3)で作成したプリントは、cmの端数のない2mや5mなどをcm単位に変換するものです。1m=100cmを基本に答えを出していきますが、このときも「m・cm変換ものさし」を見せることが大切です。
「プリントmからcm②」(図4)は、cmの端数のある1m24cmなどをcm単位に変換する課題です。このプリントでは答えを出すときに、mの部分とcmの部分を分けるというステップを入れています。この点がこのプリントのポイントで、このステップをいれることにより、2m5cm=25cmのような間違いが減っていきます。