文章題で足し算かな?引き算かな?と悩んでしまう②

 「文章題で足し算かな?引き算かな?と悩んでしまう」の続きです。

写真1
       写真1

 引き算の計算力は十分にあるのに、買い物学習の場面で、「20円のペーパーキャンディを買って、100円払いました。おつりはいくらになりますか?」の問いに答えを出すことができない子どもがいます

 この場合も、物の操作イメージが脳内で持てない(100円から20円を取り去るイメージ)、あるいは物の操作イメージと演算子(-)が結びついていないことが考えられ、文章題を苦手にしている要因にもなっているようです。

具体的な支援の方法

ひき算ボックス
       写真2

step1 ひき算ボックスによる支援

 

 紙皿にイチゴを何個かのせ(写真2の場合は5個)、何個イチゴがあるか子どもに尋ねます。支援者がお皿を持ち、箱の中にイチゴを入れます。次に、箱の中から何個かイチゴを取り出し(例えば2個の取り出し)「箱の中にイチゴはいくつありますか?」と子どもに聞き、答えが合っているかどうか箱の中のイチゴを子どもと一緒に数えます。


もう一度、同じようにイチゴを箱の中に入れ、同じ数だけイチゴを取り出し「5個から2個取ると残りは3個になるよね。」「これを算数では5-2=3といいます。」と伝えホワイト ボードに5-2=3と書き示します。いろんな場合をみせ、式を書いてもらい、物を取り去る操作を-という記号で表すことを定着させていきます。

のこりはいくつ
    図1 のこりはいくつ
    図2 のこりはいくつ
    図2 のこりはいくつ
    図3 のこりはいくつ
    図3 のこりはいくつ

step2 支援ソフト「のこりはいくつ」による支援

 

 さんすうベーシック・さんすうベーシックプラス「ひきざんのがくしゅう」の中の「のこりはいくつ」の課題は、画面の中央に現れるペンギンの数を覚え、ペンギンの集合が去るのをよくみて、引き算の式を作っていくというものです。この課題を繰り返しおこなうことで、取り去るという動きと算数の記号-をしっかりと結び付けていきます。


写真3
        写真3

step3 お絵かき法による支援

 

 「みきさんは はなを7ほんもっています。3ぼんをたけしさんにあげました。のこりは、なんぼんになりましたか。」のような求残の問題を、絵を描いて解く方法を示し、取り去るという動きと算数の記号-を結びつけていきます。

 プリントでも、必ず絵を描いてから立式してもらうようにします。そのために、絵を描くことができるスペースを作っておきます。

 

 

 


       写真4
       写真4
       写真5
       写真5
       写真6
       写真6
       写真7
       写真7

step4  具体物による支援

 

 表に100円玉を貼りつけ、裏に10円玉10枚を「マジックテープ」で貼り付けたボードを作ります。まず、商品の前に「100円を払うよ」と言ってボードを表向きにして置き(写真4)、次に、それを裏返します(写真5)。100玉1枚を出すことは、10円玉10枚を出すことと同じであることを伝え、出した100円の内20円だけ払えばいいのだから、20円だけ取り去った残りがおつりになることを示します(写真6)。

 次に「100円から20円を取り去るので何算?」と聞き、最後に100-20でおつりが求められることを確認します。

 最後に、100円から20円を取り去るテープ図を示しておきます(写真7)。このときも「出した100円の内20円だけ払えばいいのだから、100円から20円を取り去った残りがおつりになります。」と声かけをします。このテープ図の方法は、おつりの計算のイメージ化に有効なので使ってみて下さい。


step5 支援ソフト「おつり」による支援

さんすうベーシックプラス「ひきざんのひっ算」の中の「おつり」の課題で、実用的な力をつけていきます。