百分率の学習の場面で、公式を覚えているときは何とか問題が解けるのですが、時間が経つと公式を忘れてしまって問題が解けなくなるという相談を受けることがあります。
このような場合、
割合=比べられる量÷もとにする量
という公式を機械的に覚えてなんとか解いていただけで、%の意味や量感が育っていないから公式を忘れると解けなくなってしまうということが考えられます。
1%の意味が分かり1%の量感が育てば、問題を安定して解けるようになることも少なくありません。
step1 百分率シートによる支援1
1%の意味と量感を育てるために、写真1のような百分率シートを作っておきます。もとにする量を示すシートと、もとにする量を百等分した目盛りが入ったシートを準備し、ラミネート加工します。(写真1)
「これがもとにする量をあらわしています。例えば全校生徒の人数300人を表しているとするね。」などと言って、もとにする量のシートの方を見せます。続いて「もとにする量を100等分します。」と言ってもとにする量を百等分した目盛りが入ったシートの方を見せてから2枚のシートを分けて置きます。(写真1)
次に、「もとにする量を100等分した1つ分を1%と言います。」と言って、一目盛り分をホワイトボード用の赤のマジックで塗ります。(写真2)
続いて、「全校生徒の数を300人として、1%の量を求めてみるね。」と言って300人と書き込み、百等分した目盛りが入ったシートの横に置きます。(写真3)「もとにする量を百等分したうちの一つ分が1%なので、300人の1%の量は、300人を百等分した1つ分の量になるよね。」と言いミニホワイトボードに300÷100と式を書き計算をして「300割る100で3人が答えになります。」「300人の1%は3人ということになります。」とまとめます。
「もとにする量を2000円にすると1%は何円になりますか?」
「もとにする量を300mLにすると1%は何mLになりますか?」
など、例題をできるだけ沢山おこない1%の量感を育てるようにします。
step2 学習支援ソフトによる支援
支援ソフト「1%をもとめよう」の課題を繰り返しおこなうことにより、1%の求め方を定着させていきます(図1)。
「1%をもとめよう①」→ダウンロード(for Win)
注:DVDでは提供をしていないソフトなので、直接ダウンロード
して下さい。フリーのソフトです。
step3 百分率シートによる支援2
1%の量をしっかりと求めることができるようになった段階で、次の課題に移ります。「もとにする量300人の20%を赤のマジックで塗りつぶして下さい。」と声をかけ、百等分した目盛りが入ったシートの20目盛り分を塗ってもらい、次に「300人の20%は何人になるか求めてみましょう。」と声をかけ、「1%の量は3人、20%の量はその20個分なので、3×20で求めることができます。」と言い、ミニホワイトボードに3×20の式を書き60人になることを確認します。「300人の20%は60人になります。」とまとめます。(写真5)もとにする量の40%、もとにする量の65%などの課題もおこないます。
「2000円の20%は、何円になるでしょう。」などの例題をしておくと、お買い物の時の「20%引き」などの意味も分かるようになります。
step4 学習支援ソフトによる支援2
学習支援ソフト「百分率の基本」の課題を繰り返しおこなうことにより、%の量感を定着させていきます(図2)。次に学習支援ソフト「百分率%の話①」の課題を繰り返すことで、量感に基づいて「もとにする量」と「%の値」から「くらべられる量」を求める方法を定着させていきます。(図3)
支援ソフト「百分率の基本」→ダウンロード(for Win)
支援ソフト「百分率%の話①」→ダウンロード(for Win)
注:DVDでは提供をしていないソフトなので、直接ダウンロード
して下さい。フリーのソフトです。