数字は読めるのに位の意味が分からない

       写真1
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 私が支援をしていた小学2年生のAさんは、1円玉が全部で何枚あるかを書いて答える写真1の課題で、403と書きました。1円玉10枚が4つで40、ばらの1円玉が3枚あるので3。40と3なので403(よんじゅう・さん)と書いてしまったようです。このような場合、2桁の数字の表記のルールがしっかりと分かっていな

                いことが考えられます。

 Aさんは、数字を読むこと書くこともでき、計算の答えも出せるのですが機械的な暗記になっていて本質的な理解をしていないと思われます。小学1年で2桁の数の表し方と数の概念との結びつきがしっかりとしたものになっていないと、小学2年で学習する繰り上がりのある足し算や繰り下がりのある引き算の意味が分からず、機械的に答えを覚えざるをえなくなってしまいます。

 

 ※黒のスチロール板に一円玉を10枚両面テープで貼り付けたもの(10円シート)を使っています。

具体的な支援の方法

       写真2
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       写真3
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step1 位取りシートによる支援

 

 十のへや(十の位)と一のへや(一の位)が書かれたシートを子どもの前に置き、十のへやには十のまとまりが何個あるかを書き、一のへやには一のばらが何個あるかを書くということを伝え子どもに書いてもらいます。写真2の場合だと、十のへやに「4」一のへやに「3」と書くことになります。一番下のスペースに十のへやの4と一のへやの3をくっつけて「43」と書き、よんじゅうさんと読むこと、この「43」の4は十のまとまりが4つあること、3は一のばらが3つあることを表していることも伝えます。


図1 支援ソフト「ふたけたのかず」
図1 支援ソフト「ふたけたのかず」

step2 支援ソフト「ふたけたのかず」による支援

 

 学習支援ソフト「さんすうベーシック」「さんすうベーシックプラス」に入っている『10よりおおきいかず』の中の「ふたけたのかず」を使って、十のまとまりがいくつあるかを数えて十のへやの下に、ばらの一がいくつあるかを数えて一のへやの下に入力する課題を繰り返しおこなうことで、2桁の数字の表記ルールを定着させていきます。2桁の数字の読み書きができるだけでなく、十の位の数字の意味、一の位の数字の意味をしっかりと捉えられるようにします。


写真3
       写真3

step3 2桁の数字を量で表す課題

 

 step2で、2桁の数字の表記のルール、十の位の数字と一の位の数字の意味をしっかりと理解できるようになったところで、最後にホワイトボードに書かれた2桁の数字をみて、10円シート(1円玉が10枚貼られたシート)とばらの1円玉で量を表す課題をおこないます。写真3の例でいうと「10円シートと、ばらの1円で24を作って下さい。」と声かけをします。