九九はしっかり覚えることができているのに、文章題になると立式ができない子どもがいます。
「みかんを1人に3こずつ、4人にくばります。みかんは、ぜんぶで何こあればよいでしょうか。」という文章題に、Aさんは3+4と立式しました。
『「ぜんぶで」と書いてあったら足し算』と丸暗記していて、数字と「ぜんぶで」という言葉に反応して3+4と答えてしまったと考えられます。
文書題を解くには、文章を読んで物の状態や操作がイメージでき、さらにその状態や操作と演算子(+-×÷)を結びつける力が必要になります。
step1 具体物にによる支援
写真1のように、具体物が同じ数ずつ容器に入っている状態を作ります。「イチゴ3個が4つぶんあるね。」と声をかけ、どの容器にも同じ数のイチゴがあることを確認し、下に置かれたかけ算シートに3こが4つぶんでとなるように数字を書き入れます。次に「イチゴが全部で何のあるか数えてみようね。」と声をかけ、子どもと一緒にイチゴの数を数えます。「12個あったね。」といい、かけ算シートに12こを書き入れ、「3個が4つ分で12個」になるねと確認します。その後いろんな均等分布の状態の問題を作り、子どもに答えを書いてもらいます。
しっかりと文章で状態を表わすことができるようになったところで『「3個が4つ分で12個」を算数で表すと「3×4=12」になります。』と声をかけ、算数かけざんシート(写真2)に数字を入れていきます。いろん状態の均等分布の状態の問題を作り、子どもに答えを書いてもらいます。
このステップの仕上げの問題として、ホワイトボードにかけ算の式を書き(例えば5×3)、子どもにお皿とイチゴを使ってその状態を作ってもらうという課題をいれます。
このような課題を通じて、物の状態・状況(同じ数のまとまりがいくつかある場合の全体の数を求める)と演算子×(かける)をしっかりと脳内で結びつけていくようにします。
step2 支援ソフト「かけざんのがくしゅう ちからだめし」による支援
さんすうベーシックプラスさんすう2「かけざんのがくしゅう」の中の『ちからだめし1』の課題(図1)を繰り返しおこなうことにより、物の状態・状況(同じ数のまとまりがいくつかある場合の全体の数を求める)と演算子×の結びつきを定着させていきます。
次に『ちからだめし2』の課題で(図2図3)、文章に書かれている物の状態を絵に描き、立式する練習を繰り返します。
step3 プリントお絵かき法による支援
文章題のプリントで、実際に絵を描いてから立式することを繰り返すことで、物の状態・状況と演算子×を結びつけて文章題が解けるようにしていきます。