かけ算のひっ算の計算手順を機械的に暗記してなんとか計算しようとするのですが、何を求めているかが分かっていないために計算の途中で桁がずれる子どもがいます。
このような場合も、計算と量をしっかりと結びつける支援が必要になります。
step1 具体物とかけ算シートを使った支援
箱入りのチェルシー(1箱10粒入り)とばらのチェルシーを使って、2桁×1桁のかけ算で全体の量を求める状態を作ります(写真1)。
写真1
かけ算シートに、「23こが2つぶん」を書き入れ、算数の式で書くと「23×2」になることを示します。全体の量が、箱入りチェルシー(10粒)4箱とばらのチェルシー6個で46個になることを説明し、シートに全体量を書きこんで
「23こが2つぶんで46こ」「23×2=46」にします。
step2 支援ソフト「2けた×1けた」による支援
支援ソフトを使い、2けた×1けたのかけ算で全体量を求める問題を、何度もおこない九九の範囲を越えるかけ算の立式を定着させます。具体物を使った問題で立式に慣れたら、次にドットを使った半具体物の問題おこないます。
step3 具体物とかけ算ひっ算シートを使った支援
かけ算ひっ算シートを使い23×2のひっ算の手順と、意味を説明します。23×2の計算をひっ算でおこなうときには、位をそろえて縦に書くことを説明し、最初にかけられる数の一(いち)の位とかける数とどうしのかけ算3×2をおこなうことを伝えます。そして、答えの6は、バラが6個になることを求めていることを説明し、チェルシーのバラを集めて確認します。
次に、かけられる数の十(じゅう)の位の数とかける数の一(いち)の位とのかけ算2×2を行うことを伝えます。そして、答えの4は、十のまとまりが4個になることを求めていることを説明し、10粒入りの箱を集めて確認します(写真2)。
写真2
step4 支援ソフト「2けた×1けた ひっさん」による支援
2けた×1けたのかけ算のひっ算の手順と、意味を支援ソフトを使って再び説明します。特に、かける数の一の位とかけられる数の十の位のかけ算で十のまとまりがいくつあるかを求めていることを強調します。
step5 支援ソフト「2けた×2けた ひっさん」による支援
2けた×2けたのひっ算の手順とその意味を支援ソフトを使って説明します。特に、かける数の十の位とかけられる数の一の位のかけ算で十のまとまりがいくつあるかを求めていることを強調します。